9月22日 (土) 骨になっても
いきなり変な話だが,亡くなった人の遺骨を墓地に納めるときに,全国的には,骨壷ごとお墓の下に安置するのが一般的のようだ.ところが,長野県北信地方では葬儀の際に骨壷を使わない.木製の骨箱に遺骨を入れ,四十九日まで自宅で保管される.四十九日に納骨するが,このとき,骨箱から遺骨を親戚一同が手で取り出し,骨をそのまま,お墓の下に入れる.お墓の下は土壌がむき出しの状態で,土の上に骨をじかに置くので,文字通り,骨を土に還すのである.といっても,骨が土に還るまでには,かなりの年月がかかる.だから,先祖代々の墓では,以前に亡くなった先祖の骨の上に,新たに亡くなった人の骨を積み重ねていく状態になる.
先週,法事で長野市に行ったときに,うちが門徒になっている寺の住職さんに教えていただいたが,最近では,骨を分解しやすくするために,墓の下の土壌に,骨の分解剤を混ぜるところもあるらしい.骨はケラチン分解菌やバクテリア等によって少しずつ分解されていくが,有機物の少ないお墓の下の土壌には,このような菌類やバクテリアの力だけでは,なかなか分解が進まないらしい.したがって,人為的にこれらの微生物の力を活性化させるような薬品が開発されたようだ.ただ,あくまでも自然の力のみで骨を分解させるのがよいので,そのような薬品を用いるのは宗教的には得策ではないとのことだった.
お墓の下の土壌中の菌類相を調べた人がいるのかどうか知らないが,もし墓地の土壌にケラチン分解菌やそれに類する菌類がたくさんいるとしたら,興味深いことだ.それこそホネタケ目の菌類の多様性が高いということもあるかもしれない.それにしても,人間は,骨となっても菌類のお世話になるということで,妙に感心してしまった.
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9月21日 (金) アカヒトデタケの発生
栃木県の博物館の先生から,アカヒトデタケの発生に関する情報を教えていただいた.栃木県内の某所で,アカヒトデタケが生え始めたという.アカヒトデタケは命名法上の有効な記載がなかったので,とりあえず学名のvalidationをして有効発表の手続きだけはしたが(Mycoscienceの次号に掲載予定),わたしは野外での子実体を観察したことがまだなく,生態や分布に関する知見も不足している.栃木県で今日,発生が確認された場所では,まだ菌蕾のものもあるとのことなので,来週中には,現地を訪れて観察をさせていただきたいと思っている.このきのこ,栃木・茨城など北関東での発生例が多いようだが,もともとイカタケ属のきのこは熱帯系と思われるので,九州や四国など,より温暖な地域にも分布していてよさそうなものだ.また,日本以外からはまだ報告がないが,アジアの暖温帯以南では,日本以外にもありそうな気がするのだが.
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9月20日 (木) 指名手配: ツブエノシメジ
秋のきのこシーズンも始まって参りましたが,指名手配として,ツブエノシメジの提供のお願いを,この場を借りてさせて頂きます.現在,ツブエノシメジの生態学的研究をしておりますが,分離培養と子実体形成試験のために,ツブエノシメジの生の子実体を探しています.もし,これからの時期に,ツブエノシメジの発生を見かけられましたら,以下の要領で,生の新鮮な子実体をご恵与頂ければ幸甚です.何卒よろしくお願い申しあげます.
(1) まず,メールなどでご連絡頂きたく存じます.不在の時に届くと腐敗しますので. (2) 甚だしい虫食いがあったり,腐敗が進行したきのこ,また,すでに乾燥した子実体は,分離培養ができませんのでご遠慮下さい. (3) 子実体の送付方法は,こちらから差し上げる返信メールにしたがってください. (4) 採集記録(年月日,採集地,採集者,周辺の環境)を必ずお教えください. (5) 関東近県では,日程が合えば,直接,採集と現地の観察に赴きたく思いますので,まずは,子実体を採集&発送される前に,メール等でご連絡ください. (6) 糟谷のメールアドレス: tkasuya@sakura.cc.tsukuba.ac.jp
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